エルサルバドル国旗の中央の紋章の下部にはスペイン語でDIOS, UNIDOS, LIBERTAD(神・団結・自由)と書いたリボンがあります。この国のめざすもの(国標)です。全体が月桂樹で囲まれ、その周囲にはスペイン語で「中米エルサルバドル共和国」と国名が表示してあります。
紋章の中央には、“自由の帽子”が描かれ、そのまわりにはグアテマラの国旗の中央にある表示と同様、中米連邦として独立した日付「1821年9月15日」が書かれています。5つの火山と旗は中米5カ国を表わしています。青は常に水晶のように透きとおっているこの国の空を表わし、白はこの国が平和と調和を望む国であることを表わしているのです。
エルサルバドルの国旗
エルサルバドルの国章
グアテマラの国旗の巻物に描かれているのは「LIBERTAD 15 DE SEPTIEMBRE DE 1821」(1821年9月15日。中央アメリカ諸国がそろってがスペインから独立した日)であり、ベネズエラの国旗の紋章にあるのは、19 de Abril de 1810 (1810年4月19日)に独立し、20 de Febrero de 1859(1859年2月20日)に連邦になったRepública Bolivariana de Venezuela(ベネズエラ・ボリバル共和国)であるとスペイン語で書いています。
国の標語が表示されている国旗は中南米に多く、例えば、エスパニョ-ル島の東半分であるドミニカ共和国の国旗には「DIOS, PATRIA, LIBERTAD(神、祖国、自由)」とあり、紋章の中の『聖書』には、「ヨハネによる福音書」8の32「Y la verdad os hará libre(そして真理は汝を自由にする)」とあります。同じ言葉が本書の執筆でもご厄介になった国立国会図書館の中央カウンターの上にギリシャ語で彫られています。
また、同じ島を2分しているハイチの国旗にはフランス語で「L’UNION FAIT LA FORCE(団結は力なり)。両国の国旗は対照的なデザインでいかにも信仰色の強いドミニカ共和国の国章と大砲、銃、太鼓、喇叭(らっぱ)などを描いた戦闘色の強いハイチ国章になっています。
赤道ギニアの国旗には西語で「平和と正義」
ブルネイの国旗にはアラビア語で「神のお導きに従って常に奉仕に尽力する」
ブラジルの国旗には「ORDEM E PROGRESSO(秩序と発展)」を記していることは前に述べました。裏表のあるパラグアイの国旗の裏面の紋章にはスペイン語で「PAZ Y JUSTICIA(平和と正義)」とあります。
赤道アフリカの旗にはスペイン語で「UNIDAD PAZ JUSTICIA(統一・平和・正義)」とあります。ほかのアフリカ大陸の国旗で文字が出てくるのは、エジプトの国旗にアラビア語で「エジプト共和国」とあるだけです