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「日の丸」も変わった?

日本の「日の丸(日章旗)」は1999年の国旗国歌法で、デザインを微調整して、確定しました。同様の例はほかにもあります。それまでのデザインに少し手を加えた程度の修正例もあり、国旗の変化は時に注意深くみないと気づかないくらいのこともあります。


1870(明治3)年太政官布告第57号。
縦横比7:10、円の中心は横の100分の1旗竿側に寄る。

1999年国旗国歌法による「日の丸」。
縦横比2:3、円の中心は旗面の中心。円の大きさはともに縦の5分の3。

ベネズエラは2006年3月12日、反米を貫いた独裁者ウゴ・チャベス大統領が、突如、デザインの一部を改変し、中央に8つめの星を追加しました。この星は今では隣国ガイアナの西部にあたるグアヤナ・エセキバ地方の6州をベネズエラが自国領土と主張していることに起因しています。これはガイアナの国土の71.5%もに相当しています。国際社会はいずれもガイアナを独立国として認めており、ベネズエラ国内にも「我が国の領土ではない」とチャベス大統領を批判する向きもあり、同大統領が亡くなったこともあって、将来、同国が落ち着いたら、もう一度、変更になるやもしれません。

もう一つ、ベネズエラが主として公的機関で使用する国旗についている国章ですが、その中の白馬も同大統領が星を加えたときに、向きを変えました。それまでは「見返り美人」の絵のように振り返っていた馬が、「ベネズエラは常に前進するのみ」という大統領の意向で前向きになったのです。対米関係の混乱、石油価格の低迷、社会の不安定…ベネズエラはさまざまな混乱を抱え、「前進する馬」になりえるか、難しいかじ取りが必要なようです。

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