オリンピックまでに国旗に親しもう
国旗についてのお話
STORY

えっ!ウチと同じ国旗がある?!

極小国リヒテンシュタン。スイスとオーストリアの中間にある公国です。大学院時代のわが恩師・松本馨教授(1901~90)はオクスフォード、ハイデルベルク、ソルボンヌの3大学で学んだ俊秀です。大正時代にドイツ留学中、リヒテンシュタインを訪問しようとして、スイス側から鉄道で向かったのですが、「国名と同じ名の駅しかないと思っていたらいつのまにかファドゥーツという首都の駅を過ぎてしまってオーストリア側から引き返したら今度は急行で停まらなかったんだよ」とおっしゃっておられました。


リヒテンシュタインの国旗

ハイチの国章

そこで、私は70年代の終わりに自動車でスイスから入ったのですが気付かぬうちに同じく通過してしまいました。しかたなくUターン。ようやく国境を見つけ、入管に「どうしても旅券にスタンプを」と頼んだところ、もう何年も使っていないゴム印を出して、「珍しい東洋人がいる」と同僚と語っていました。帰国後、同教授に報告すると、「キミが私より優れているのは、その執念だけだね」と苦笑されたのでした。

閑話休題。そのリヒテンシュタインとハイチは36年のベルリン・オリンピックで互いの国旗が紺と赤の横二色旗であることに強く気づき、翌年、公冠と紋章で区別するようになりました。ハイチは19世紀の初め、宗主国フランスでナポレオンが欧州のほとんどの国を相手に戦っていた隙に独立を達成し、フランス国旗の白が白人を表すことからそれを抜いた2色の国旗としたのです。市民が用いる国旗の場合は紋章を取り除くことが多いです。

サッカーJ1のFC東京の旗は青と赤。東京の目黒通りには時々、この旗が林立しますが、私にはリヒテンシュタインやハイチの国旗が連想されてしまいます。時には北朝鮮の国旗の星の周りを赤で塗りつぶしたようで、こだわるようですが、いまいち、青と赤の旗を持ち込んで応援する気にはなりません。