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「国」「旗」「国旗」「万国旗」

国際法は古典的に独立国を定義しています。「領民、領土、継続的権力機構」がそろっているというのが国際法上の古典的な「国の定義」です。ちなみに、「国」の旧字である「國」は「鉾で土地と人を守り、国境(土塁)で囲む」という意味です。講談社の『類語大辞典』には「一定の権力によって治められ、自立している、ある一定の広がりを持つ土地(地域)」とあり、角川書店の『字源』には「一政體の下に属する土地と人民」とあります。

では、「旗」という文字を振り返ってみましょう。「旗」は「其」以外の部分で既にハタを象形的に表しているのです。「其」は音を表しているもので、「旅」は「複数の人がハタを掲げている形」。添乗員がハタを掲げて「集まってくださ~い」と言っている様子を思い浮かべます。「族」は「矢をもってハタを守る」意。施行の「施」や旋風の「旋」、「於」などもハタにかかわる文字です。簱、旛、旂、旃、旌、旐、旟、幢、幡と似たような字がPCでハタと入れただけで出てきます。漢和辞典などで見てみると、それぞれがハタの形や飾りのあるなし、縦長や横長、そして使用目的で違うものであることが判ります。

日本語で「国旗」という言葉ができたのは、日本とに「国」という意識、ナショナリズムが高まった幕末以降のことかと思われます。1870(明治3)年の太政官布告で「御国旗」という言葉が用いられ、99年の船舶法でも「日本船舶に非されば日本の国旗を掲くることを得す」とあります。

また、「萬國旗」という言葉は漱石の『坊ちゃん』に「世界萬國の國旗を悉く借りて来た位、縄から縄、綱から綱へ渡しかけて、大きな空がいつになく賑やかに見える」とあります。でも、当時は盛んに「万国旗」も掲げられましたし、「万国公法(国際法)」が唱えられ、「万国博覧会(万博)」や「万国平和会議」が開催され、報道されています。

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