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半世紀のうちに国旗が何度も変わった国も

長年にわたり不安定な国情であったカンボジア、アフガニスタン、イラク、エジプトといった国の国旗は何度も変わりました。

カンボジアでは1991年10月23日のパリ和平協定までは、ヘン・サムリン、ポル・ポト、ソン・サン、シアヌークの各派がそれぞれ異なる旗(といってもいずれの旗もアンコールワットが中心)を掲げて争いましたし、今もシリアではアサド政権、反政府勢力、IS(イスラム国)がそれぞれ別の旗を掲げて内戦を繰り広げています。

リビアはカダフィ政権時代の77年からは緑一色の旗(~2011)が続きましたが、その後は“アラブの春”が続く中、カダフィが殺害され、王政時代の4色旗(1951~69)に戻りました。カンボジアもいろんな旗を経由して、シアヌークが直接統治した1970年までの国旗に戻りました。アフガニスタンも同様に何度も変更されましたが、現在の国旗は王政時代の国旗(1930~73)のモスクを中心に描いた紋章の上にイスラムの聖句(シャハ-ダ)を書き加えたものになりました。

多くの場合、国旗の変更はその国の不安定な政治・社会事情を反映しているので、このように国旗を通じて世界の動きを垣間見ることもできるのです。ですから、日本図書十進分類法でも国旗の関係書は「政治史・事情」という項目に入っています。

今のエジプトの国旗は1984年10月に、今回追放されたホスニ・ムバラク大統領が変更したものですから、私はエジプトの政局が落ち着きそうになったらおそらく変更されることになるものと思っています。

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